2005-01-01から1年間の記事一覧

「やってみなはれ・みとくんなはれ」−山口瞳・開高健−

「どちらにしろいつか買うだろうし・・・・」と思って、あまり内容を確認もせずに本屋さんで見かけるたびに流していた本。赤玉ポートワインで莫大な利益を得ながら、危険を冒して日本初の国産ウィスキー製造に取り組み、戦後には念願のビール市場参入を果た…

「イソップとひよどり」−庄野潤三−

今年はあまり雨も降り続かず、梅雨らしくない。明日は夏至なので一年で一番昼間が長いときなので、こういうときに定時で会社を出たりすると、外が明るくてうれしくなってしまう。といってもそうそう定時であがれるものではないが。 デンマーク、スウェーデン…

「ku:nel」(Vol.14/2005.7.1)

別になにが忙しいというわけではないのだけれど、家に帰ってうだうだしているうちに、すぐに寝る時間になってしまい、雑誌などを読んでいる余裕がない。だからこの「ku:nel」も5月の終わりに、ポイント欲しさにわざわざタワーレコードまで行って買ったのに…

「木彫りの兎」−山口瞳−

山口瞳は私小説の作家といえるのだろうか。「江分利満氏の優雅な生活」をスタートとして「血族」「家族」をその到達点とし、それを補う形で「男性自身」が存在すると考えるならば、山口瞳の小説は、(過去やルーツを含めて)自身の身辺を語ったものと言える…

「ウォーター・ブルー・カフェのスマーフケーキ」

6月13日は私の誕生日。歳男。というわけで日曜日に自分のうちで、友達数人と誕生会をやりました。なんだかんだと20代の頃から誕生会をしてますね。写真は西荻にあるウォーター・ブルー・カフェで作ったスマーフケーキ。イラストのコピーも持っていくとオリ…

「わが切抜帖より」−永井龍男−

「カレンダーの余白」に続いて昭和43年に発表された2冊目の随筆集。タイトルにあるように新聞や雑誌などで気になった記事を紹介する形のものや酒に関する交遊録「酒徒交傳」、中原中也、直木三十五、古川録波、菊池寛など、同僚や友人たちの思い出やエピソ…

「娘と私」−獅子文六−

少し早めに仕事を切り上げてブックオフに寄って帰る。定期券内にブックオフがあるとつい寄ってしまうのは私だけか。平日の夜は、漫画の立ち読みする子供たちもそんなにいないし・・・・。とりあえず100円コーナーから眺めていくのだけれど、下の棚に何冊か本…

「This Is Venice」「This Is Ireland」−Miroslav Sasek−

サセックの旅行絵本は、復刊されるたびに買っている。 多分、毎月2冊ずつ、といった感じで復刊されるのではなく、不定期に(?)ある程度間隔があいて復刊されるので、買いやすいのだろう。代官山の本屋ではじめてこの2冊を見かけたのはかなり前のことだっ…

「Petunia」−Roger Duvoisin−

久しぶりにアマゾンで買った本のうちの一冊。前回(といってもそれがいつだったか?)注文したときは、品切れか何かで手に入らなかったのだけれど、今回は意外と早く届いたのでうれしい。翻訳もされていて、日本語のタイトルは「がちょうのペチューニア」と…

「禁酒宣言 上林暁酒場小説集」−上林暁−

これは一つの考え方なのですべての場合に当てはまるというわけではないけれど、物事を好きになるということの基準のひとつに「ひとりでする」かどうかということが挙げられると思う。例えば、映画。子供の頃はたいてい親や兄弟たち、友達と見に行っているけ…

「小黒坂の猪」−井伏鱒二−

突然ですが「物事を深く狭く掘り下げるタイプ」か「広く浅く掘るタイプ」のどちらかと言えば、私はそのどちらでもなくて、昔、友達に指摘された言葉を使うなら、「あるきっかけがあって地面に穴を掘ったら、そこからもぐらのように地下2mくらいの場所を掘り…

「半ドンの記憶」−上林暁−

上林暁、29作目、最後の作品。昔の作品も読んでみたいけれど、簡単に手に入りそうもないし、新たに出そうもないのが残念。とりあえず今日、坪内祐三が編集した「禁酒宣言」を今日はネットで注文したので届くのが楽しみ。下北のモナレコードで31日まで行われ…

「鳴るは風鈴」−木山捷平−

木山捷平の本は、表紙の絵なども含めてよい雰囲気を出しているもが多く、できれば単行本でそろえたいのだけれど、彼のゆるやかなユーモア漂う作品には根強いファンがいるようで、古本屋さんで見かける木山捷平の本は割と高い値段が付けられていて、私にはち…

「日本のよさ」−吉田健一−

日本のよさとかわるいところとか考えていると、いやな気分や憂鬱な気分になりがちなので、あまり考えたくないというのが本音。加えて私の少ない知識で、歴史等について中途半端なことを書くのもどうかと思うし、カヌー犬ブックスの雑記としてもどうかと思う…

「ハリーのセーター」−ジーン・ジオン−

「どろんこハリー」「うみべのハリー」に続いてハリーシリーズも3冊目。これでそろったと思ったら「ハリーのだいかつやく」という本もあるらしい。定価で1000円くらいなのだからわざわざ古本屋に並ぶのを待たないで、新品で買えばいいのでは?と、自分でも…

「子午線を求めて」−堀江敏幸−

「現代詩手帖」や「ユリイカ」に連載されたコラムを中心に、セリーヌと1980年代のロマン・ノワールの関係を探った文章などを加えてまとめられた本。文字数の決まった短めのものと論文ともいえる内容のものなどがバランスよく並べられていて、それがいいテン…

「取材旅行」−井伏鱒二−

定期入れをなくした。月曜日に駅でいらなくなったパスネットを捨てて、荷物が多かったのでリュックのポケットにパスケースを入れられず、違うところに入れたところまで憶えているのだが、部屋中探してみても、ない。ジーンズのポケット、テーブルの下に重ね…

「へっぽこ先生その他」−永井龍男−

古本屋イベントも無事終了し、気分的にも、体調的にも、部屋の中の様子も、ようやく今日から“通常通り”という感じです。はじめてのことだったので、本当に高校の文化祭というか、お店屋さんごっこ、という感じがぬぐえませんでしたが、たくさんの人に来てい…

「カヌー犬ブックス at foo」

2005年5月6日から8日まで、ゴールデンウィークの最後の3日間、東麻布にある foo でお店を開きました。もともとは写真やイラストの展覧会を行うような会場だったので、壁に、はんなみおのイラストや北欧の写真を飾ったり、手作りのクッキーを作ったり・・・…

「使うハッセル」−赤城耕一−

いつかブラウニーのフィルムで写真を撮ってみたいなぁ、なんて思いつつ、なんの知識もなく、そのいつかのためにブックオフにて100円で買ったのだけれど、家に帰って中古カメラ屋のサイトやヤフオクで調べてみたら、きれいなものは50万近い価格がついているよ…

「Nine Cliches」−Refely−

ベルギーの老舗レーベル“R&S”主催のコンテストで出会ったという2人組のユニット。最近、こればかり聞いてます。軽快なブレイクビーツから、ヴォコーダーヴォイスを使ったエレクトロな味付けのネオアコ、パンキッシュでバーストなドリルンベース、ソフト・ロ…

「わたしのいるわたし」−池田弥三郎−

「まだまだ先だから・・・・」なんて思っているうちに、気がつけば、fooでの3日間カヌー犬ブックス開店も今週末に。本を並べる簡単な棚や看板を作ったり、写真を大きく引き伸ばしたり、久しぶりにMOサイズの写真集を作ったり、必要なものを買いそろえたり・…

「マジメ人間」−山口瞳−

私小説とも少し違うような、身辺小説、もしくはエッセイとも言えるような作品と、フィクションと思われる作品が、半分ずつ収録された本。例によってかなり自虐的なのだが、これだけ山口瞳の本を読み続けていると、それほどつらい感じを受けなくなってしまう…

「ごぶ・ゆるね」−安藤鶴夫−

エレベーターを出ると、さっきまでの雨はすっかりやんでいて、ガラスのドアの向こうはまだ明るい。会議室をでたときに、視界の片隅に入った廊下の奥のガラス窓を見た時には、外が暗く見えたので、少しびっくりした。ガラス自体に暗い色が入っていたのだろう…

「河岸忘日抄」−堀江敏幸−

2月に出たばかりの堀江敏幸の長編小説。正直言ってこんな早く手に入るとは思ってませんでした。しかもブックオフで。最近、ブックオフで前の作品もときどき見かけるようになったけれど、少しずつ売れてきているのかな。 物語のストーリーとしては、30代初め…

「IT’S A STAMP WORLD! 〜切手に恋して〜」

「Stamp stamp stamp Europe」を読んだ勢いで、プチグラから出ているこんな本も買ってみた。プチグラだけあって、かわいさやデザインの良さに関しては、こちらの方がいいし、東野翠れんや江口宏志、パラダイス山元、小柳帝、やなせたかし・・・・など、人脈…

「木下大サーカス」

味の素スタジアム特設会場で行われている木下大サーカスに行って参りました。何年か前に行ったボリショイサーカスは、東京ドームの特設会場で、ビルなどの建物の隙間にテントが建てられていましたが、、味の素スタジアムの周りには何もないので、テントがぽ…

「月と菓子パン」−石田千−

唐突言うと、エッセイと随筆の使い方の違いが分かなくって、文字の感じでどうも随筆のほうが堅い感じを受けてしまったり、単に「随筆」→「エッセイ」という時代的な変化だけなのかなと思ってしまう。 でも最近、読んだ本によると、作家が作品を書く合間に身…

「クロッカスの花」−庄野潤三−

週末は、初夏のような暖かさでジャケットを着て歩き回っていると、汗をかいてしまうくらいだったのに、週が開けてからは雨続きで、冬に戻ったような寒い日になってしまった。せっかく咲いた桜も散ってしまったんだろう。今年は、3月になってもなかなか暖か…

「小さな手袋/珈琲挽き」−小沼丹−

吉祥寺のDropで隔月第2金曜に行われているフェビラス・パレードというイベントに行く。パレードは、友達がDJをやっているので、ときどき遊びに行く。いやよく考えてみたら、たまに、くらい。冬のあいだは、吉祥寺まで自転車で行くのは寒いので、12月、2月…