2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「日々の麺麭・風貌」−小山清−

小山清の本なんてそうそう手に入るものでもないだろうから、ゆっくり落ち着いて読むべきだよなぁとか、どうせならもっと収録してくれてもいいのに、などと思いながらも一気に読んでしまった。もったいない。 ついでにamazonで調べてみたら、「風貌―太宰治の…

「文学交友録」−庄野潤三−

学生の頃に授業で習ったティペラリーやラムといったイギリスの随筆家から、伊東静雄、佐藤春夫など文学における先生、島尾敏雄、林富士馬ら友人たち、安岡章太郎、井伏鱒二、小沼丹など東京に来てから知り合った作家たち、兄であり児童文学者の庄野英二・・・・…

「縷縷日記」−市川実和子、eri、東野翠れん−

市川実和子、eri、東野翠れんの3人の手描きの交換日記をスキャンして、そのまま掲載した本。文字や絵だけでなく、古い切手、押し花、写真、お菓子の包み紙、シール・・・・といったものが貼り付けられたりしていて、かわいいけれど、なんだか男の子には立ち入れ…

「単線の駅」−尾崎一雄−

世田谷文学館で開かれている「花森安治と『暮しの手帳』展」に行ってきました。特に目新しいものはなかったけれど、原画とか手紙とかを見ていると“手描き”の力強さを感じますね。ただ、「暮しの手帖」という雑誌が、編集長である花森安治の思いをストレート…

「昔の仲間」−久保田万太郎−

前回(この項続く?)なんて書いたのに気がつけば一週間経ってしまいました。最近、本を読むペースが遅くなっていますね。で、そのあとなにを書こうと思っていたか、簡単に書いておくと、 ・姿を見せなくなったサバは2週間ぐらい経った頃、家に帰ってくると…

「猫のいる日々」−大佛次郎−

前にも書いたことがあると思いますが、20代の中頃、調布でひとり暮らしをしていた時に、通いの猫、大佛次郎風に言えば“外様猫”を飼っていたことがありました。その頃、住んでいたアパートは、ベランダもなく、窓を開けるとそのまま外に出られるようなところ…

「新・東海道五十三次」−武田泰淳−

大阪から来た友達と久しぶりにあった。去年の9月から東京に来ていたのだから、“来た”というのはちょっと間違っているかもしれない。 何カ月ぶりに久しぶりにミクシィにログインして、その人の日記を見たら、BMXバンデッツのダグラスのライブを見に行ったと…

「随筆 あまカラ」−小島政二郎 編−

「あまカラ」に掲載された随筆をまとめた本で、編者をつとめた小島政二郎はもちろん、志賀直哉、永井龍男、獅子文六、福田恆存、徳川夢声・・・・といった作家の随筆が収録されている。あとがきには二冊目、三冊目と続けていきたい、といったことが書いてあって…

「南の男」−獅子文六−

どのよう意図でまとめられた本なのかよく分からないし、それぞれの初出も書いていないので、どのような経緯で書かれた文章なのかもまったく推測できない本。基本的には本人の体験談を語った随筆なのだけれど、どの作品も獅子文六のストーリーテラーの才が光…