2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「巻頭随筆III」−文藝春秋 編−

この本とは全然関係ありませんが、ちくま文庫から井伏鱒二の随筆を集めた本が出てます。全4巻。「忘れ得ぬ人々の面影」とサブタイトルがついた第1巻はもう出ていて、10月に第2巻「旅の出会い」が出るみたい。 それにしてもちくま文庫も講談社文芸文庫も普…

「無心状」−井伏鱒二−

無心状というのは、地方から出てきた学生などが、月の生活費が足りなくなったため、お金を送ってもらうために実家に出す手紙のこと。 ここではお金が足りなくなった井伏鱒二が、普通に書いたら怒られるだけなので、もっともらしい理由や状況を作り上げて実家…

「御代の稲妻」−庄野潤三−

学問や研究のためではない読書なんてけっきょくの話、単なる現実逃避にすぎないわけで、10代20代の私にとって読書、あるいは本というのは「ここではないどこか」に連れて行ってくれる最適な道具だったような気がします(ある意味音楽を聴くとか、映画を見る…

「Peep Paper Vol.2」−トリトンカフェ・パブリッシング−

トリトンカフェは神戸にあるカフェで、2年くらい前に一度だけ行ったことがあります。開店と同時に入ったせいもあってお客さんもほとんどいなくて、比較的広い店内にアンティークっぽい木のテーブルと椅子がゆったりと置かれていて、居心地の良いカフェだっ…

「巻頭随筆II」−文藝春秋 編−

先日、中央線巡りをしたときにIIとIIIを手に入れたので、これで巻頭随筆も4冊そろったことになる。実際は6まで出ているのだが、5と6は1980年代も後半になってくるので今は読む気はなし。もしかしたら何年かして読みたくなるときがきて、そのときになった…

「Summer Store −Last Summer Holiday−」

「Summer Store」はディモンシュに行くたびに買っていて最初の号から持っているし、夏のイベントにも初めのときから行っていたのだけれど、去年の夏の最後の時には行けなくてこの最終号も手に入れそびれてました。その後も鎌倉に行く機会がなかったので、1…

「田中一光」

このギンザ・グラフィック・ギャラリーのシリーズも気がつけばもう10冊くらいになってます。気持ち的にはもう少し大きな判でページ数もあって3000円くらいだといいのにな、と思う。でもこういうデザイン関係の本で3000円くらいの本って以外となくて、たいて…

「片岡義男 本読み術・私生活の充実」−片岡義男−

架空のインタビューで、どんなところで本を読むか、最近おすすめの本はなにか・・・・といった質問に片岡義男が答えるという形式で書かれているのだが、質問の内容があまりにも次の話題にうまく持っていくための導線になっているので、読んでいるとちょっと…

「居酒屋兆治」−山口瞳−

「礼儀作法入門」「居酒屋兆治」「血族」「家族」「人殺し」、そのほか競馬、将棋関連・・・・これらは、山口瞳の本で後回しにしようと思っているもので、前者はそのタイトルや映画のイメージが悪いのでちょっとさけているという感じで、後者はタイミングを…

「角鹿の蟹」−稲垣達郎−

稲垣達郎は1901年福井県生まれの。大学時代には同人誌に参加したり演劇活動を行っていたが、後に母校の早稲田大学にて教職に就き森鴎外を軸に日本近代文学についての研究を主に行った人。「作家の肖像」「夏目漱石」「森鴎外の歴史小説」などの著作、「森鴎…

「KAWADE夢ムック 山口瞳」

去年、発売されたときは「絶対に買わないぞ」と思っていた本。特集がいいといって雑誌やムック本を簡単に買っていると、いつのまにかそういう本がたまってしまって置き場に困ってしまうのが目に見えてるから。そうは思いつつも本屋で久しぶりに見かけたので…

「丘の明り」−庄野潤三−

庄野潤三の本は好きだけれどどうも読んでいると個人的につらい気分になるので、読まないようにしているのだが、帯に永井龍男の推薦文が書かれていたのを見てつい買ってしまった。 電車の中で夫婦者と小さい男の子を連れた母親が話している内容をスケッチした…

「ゼラニウム」−堀江敏幸−

台風が近づいているせいで今週も週末は雨が降ったり止んだり、という天気。2日続けて近所から出ませんでした。 ほんとは巣鴨の三百人劇場でやっている「進め!ジャガーズ 敵前上陸」を観に行こうと思っていたんですけど、朝起きてカーテンを開けた途端そう…