2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

IKEAまでの道のりは遠い、でも帰りはもっと遠い

「あまカラ(抄)」第2巻は学者・評論家篇。私が知っている名前をピックアップすると、池田弥太郎や池島信平、福田恆存、小泉信三、小林秀雄、串田孫一、奥野信太郎、高橋義孝・・・・といったところか。前に読んだ「巻頭随筆」の時も思ったけれど、学者による…

「夫婦百景」−獅子文六−

いろいろな夫婦の形をレポートするという内容で、前半は獅子文六自身の夫婦論に始まり知り合いの夫婦について、後半では雑誌の読者から寄せられたちょっと変わった夫婦について、それぞれ「婦人倶楽部」「主婦の友」に連載されたもの。 “ちょっと変わった”と…

大橋歩展覧会「歩のあゆみ」

個人的には銀座というと、映画を観に行くということが多かったので、映画を観なくなった最近は、年に数回行くか行かないかという感じになってしまってます。この秋山安三郎とか安藤鶴夫、池田弥三郎といった人たちの本を読んでいると、銀座を歩いているだけ…

「私のなかの東京」−野口冨士男−

11月から倉庫として駅前のトランクルームを借りたので、毎日、会社から帰ると段ボールに本を詰めて少しずつ運んでいたのですが、週末にラストスパートで4往復してようやく引越完了しました。いままで本を置いていたキッチンの片隅がすっきりして気分がいい…

関口ベーカリーが近所にあったらいいのにね

「あまカラ」に掲載された約3000本の随筆の中から、“生きていることが何とはなしにうれしくなるもの”というテーマで選んで、3巻130篇を選んだ本。この第1巻は“作家篇”ということで、幸田文、武田泰淳、今東光、伊藤整、開高健、獅子文六、大岡昇平、大佛次…

「諷詠詩人」−上林暁−

高橋鏡太郎を題材にした「諷詠詩人」や、死期が迫り寝臥せっている父親を見舞うために故郷に戻ったときの様子を描いた「目下帰省中」や「生家にて」、刑務所にいるらしい幼なじみからきたお金の工面のための手紙に対してあたふたとするする「番外番地からの…

「庭の山の木」−庄野潤三−

三連休に北海道に行って来ました。 札幌に行こうと思いたったときから、あまり動き回ったりせずにのんびりとしたいと思っていたので、行きの飛行機も昼ごろ羽田を出発する便だったし、帰りも午後には東京に着くような便だったので、札幌にいたのは実質、一日…

「竹とんぼ」−安藤鶴夫−

この作品は、完全なフィクションなのか、なにか実在の芸人をもとにしたモデル小説なのか、どっちなんだろう。今まで、安藤鶴夫に対しては、評論家や随筆家というイメージしか持っていなかったし、直木賞を受賞した「巷談本牧亭」もモデル小説と思っていたの…