2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「新潮日本文学アルバム 吉田健一」

先日、特に目的もなく「吉田健一」や「永井龍男」「稲垣達郎」「小沼丹」といった作家の名前で検索しては、本の好きそうな人のホームページを眺めていたら、小西康陽が吉田健一について書いた文章が紹介されていて、それが「これは恋ではない」にも収録され…

「井伏鱒二 弥次郎衛 ななかまど」−木山捷平−

台風が近づいてきているため、今週はどうやら雨降りの週末になりそうだったので、土曜日は、雨が降り出す午前中から自転車で荻窪に出て電車で高円寺へ。 高円寺の駅前はどこからか祭りの音がしたり、なにやらやぐら組み立てられていたりそこいらじゅうに紅白…

「大人のしつけ 紳士のやせがまん」−高橋義孝−

ドイツ文学なんていままで興味を持ったことがなく、思い浮かぶ作家といえばトーマス・マンとかヘッセ、カフカなどの学校で代表作を覚えさせられそうな作家ばかり。現代の作家なんてほとんど知らない。あっケストナーは大好きですね。 かといって、フランス文…

「西瓜糖の日々」−リチャード・ブローディガン−

ブローディガンの小説は短い文章の集まりからその隙間から浮かび上がってくるさまざまな解釈や想像が、人それぞれそして読むたびに違ってくるところが好き。この本もまたいつか読み返すときが来るだろう。何冊かあるブローディガンの本をいまだに手放せない…

「しあわせ かくてありけり」−野口富士男−

「わが荷風」という永井荷風論も出している野口富士男が昭和52年、66歳の頃に書いた自伝的小説。冒頭近くで主人公、夏夫の記憶の一番はじめにあるという、赤坂御所と豊川稲荷の間を入った九郎九坂、赤坂見附から清水谷公園あたり、赤坂の外堀通りと一ツ木通…

「おいしいコーヒーをいれるために」−中川ちえ−

コーヒーのいれかたなんて言うとどうもものすごい器具に囲まれてしかめ面をした喫茶店のマスターやカウンターに座ってしたり顔で「コーヒーは○○○に限るね」とか「△△△と◇◇◇を●対■でブレンドしたものが一番」なんて言っている親父の顔が浮かんだり、コーヒーに…

「川釣り」−井伏鱒二−

私の釣り経験といえば小学校の頃に相模川に行ったときとうちの母方の田舎の河津にいったとき・・・・あとは何回か釣り堀に行ったっけ?そんなもの。 井伏鱒二の随筆は阿佐ヶ谷文士の中心人物としてずっと読みたいと思っていて探してはいるのだけれど、戦後す…

「文房具56話」−串田孫一−

タイトルで分かるように串田孫一が、帳面、万年筆、封筒、ペーパーナイフ、虫眼鏡・・・・など自分が愛用している文房具について語った本。書かれている文房具の絵や写真が添えてあればいいのにと思う。最後の方の章で、戦時中に物資不足で文房具も不自由に…

「澪標・落日の光景」−外村繁−

外村繁も阿佐ヶ谷文士と呼ばれた作家のひとり。井伏鱒二の「荻窪風土記」では太宰治に次いで、青柳瑞穂と並んで登場回数が多いとのこと(私が実際に数えたわけではありませんが)。 前妻の死を扱った作品や自身の性的な告白、夫婦ともに癌の治療をしながら静…

「落葉の上を」−永井龍男−

1987年に出た随筆集。ここで書かれているのは、ちょうど私が鎌倉学園を受験したりテアトル鎌倉に映画を見に行っていた頃のことで、書かれている内容とはまったく接点はないけれどちょっと懐かしい気分になる。1985年に鎌倉文学館の鎌倉文学館初代館長に就任…

「船の本 第3」−柳原良平−

一冊買うとついまた買ってしまうという悪い癖が・・・・。でも5冊揃えようとしない、あるいは揃わないのも悪い癖とも言えるかな・・・・。ちなみに某古本屋さんでは5冊セットで12500円で売ってました。昨日、今日と吉祥寺、月窓寺の盆踊り。ここ数年行って…

「おぱらばん」−堀江敏幸−

堀江敏幸の「郊外へ」を知り合いに借りて読んだときの気持ちは忘れられない。現実と虚構とそして史実をの垣根を軽やかに飛び越えて行き来し、そしてそれらが絡み合い緻密に組み立てられた構成の前に、僕はその世界にただ夢中になり、ただため息をつくしかな…

「船の本」−柳原良平−

ツイデニ、コンナホンモ、カッテミマシタヨ。 実を言えば柳原良平の本って、その丁寧、かつ繊細ともいえる絵の方を見てるだけで満足してしまって、文章はちゃんと読んだことがなかったりする。 船と言えば、去年北欧に行ったときに乗ったシリアラインか、高…

「江分利満氏大いに怒る」−山口瞳−

で、予告どおり山口瞳。といってもこの本についてのコメントはなし。一つ引用するとすれば・・・・もっともっともっと、暑くて暑くてガマンできないときはどうするか?次の言葉を三唱することにしている。「ブレーキ踏まずにアクセル踏んだ」ここ何年か夏に…

「伝法水滸伝」−山口瞳−

2冊続けて山口瞳。実は今読んでるのも山口瞳の本。なぜかといえば、ストックしてある本が山口瞳しかなくなってしまったから。 山口瞳、永井龍男の本については読む読まないにかかわらず見つけたら買うということにしていているので、ほかに読む本がないと山…