2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「眼中の人」−小島政二郎−

小島政二郎がまだ作家として独り立ちする前、“眼中の人”である菊池寛、芥川龍之介との交流をとおして、自己を見つめ作家をして目覚めてゆく過程を描き、また菊池、芥川だけでなくさまざまな作家が登場し、大正の文壇を知るうえでも興味深い作品。年少より鴎…

「獅子文六全集 第十四巻」−獅子文六−

2月9日に「ちょっと厚い単行本を読んでいるので・・・・」と書いた本。「随筆 てんわやんわ」「随筆 山の手の子」「へなへな随筆」「あちら話こちら話」「遊べ遊べ」「東京の悪口」「その辺まで」といった獅子文六の随筆が7冊分収録されています。これで5…

「人生玉ころがし」−秋山安三郎−

特に理由もなく最近、この秋山安三郎や安藤鶴夫、戸板康二といった人が気になっている。でも、歌舞伎や芝居に興味がなく、実際に見たこともなく、それについての知識もまったくないので、どうしたものか、と。やはりこの本でも歌舞伎や芝居のことになると雰…

「雪沼とその周辺」−堀江敏幸−

いつか春が来る前に読もうと思っていた雪沼近辺に住む人々を描いた短編集。 それぞれに直接的なつながりはないけれど、ふと話の中に出てきたりとかすかにつながっている。映像にしたら通行人として見かけることだろう。出てくる人たちはたいてい人生の夕暮れ…

「火事息子」−久保田万太郎−

このところ会社の行き帰りにちょっと厚い単行本を読んでいるので、混み合っている通勤電車の中で片手はつり革につかまってもう片方の手で本を持って読んでいると、たった20分くらいのことなのに腕が痛くなったりしてしまう。単に私の筋力がないだけなんです…

「『河野鷹思グラフィック・デザイン』展 図版」

先週見に行った「河野鷹思グラフィック・デザイン」展の図版。私は、夕方、閉館ギリギリの時間に見に行って、しかもそのまま併設のカフェでお茶をしてしまったため、カフェから出たときはすでに、美術館もミュージアムショップも閉まっていて、買うことがで…

「ku:nel」(Vol.12/2005.3.1)

先日、ミオ犬が買ってきた「スマイル・フード」と、この本を寝る前にかわりばんこに眺めていたら、久しぶりに料理でもしたいなぁ、なんて気分になってしまった。なにげにソファーの前の机の下には、高山なおみのレシピ本が置いてあったりするし・・・・。 と…

「他人の帽子」−永井龍男−

昭和35年から日経新聞に230回にわたって連載された新聞小説。なにか起こりそうな、そして秘密がありそうな感じをかもし出しつつ、でも最終的に劇的なクライマックスを迎えるわけではないというのが、永井龍男らしい。新聞連載の大衆小説なのでそれほど気合い…