2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「上海の蛍」−武田泰淳−

前に読んだ「目まいのする散歩」よかったので、武田泰淳のほかの本も読んでみたいと思っているのだけれど、私は「三国志」とか中国史について、ぜんぜん興味がないので「司馬遷」とか「十三妹(シイサンメイ)」といった本にはどうも触手がのびないし、戦時…

「雪まろげ」−安藤鶴夫−

「あまカラ」に「食べもののでてくる話」という題名で連載されていたものをまとめた本。「雪まろげ」とは、漢字でだと「雪丸げ」と書き、雪の小さい固まりを頃がしてだんだん大きくしてゆく遊びのことらしい。題名も食べものとあまり関係ないけれど、内容も…

「風貌・姿勢」−井伏鱒二−

井伏鱒二が、「作品」という同人誌に参加していた頃から、機会がある度に発表していた、「知人についてのゴシップ風の短文」を集めたもの。発表された時期も昭和5年から昭和42年まで、掲載誌も「同人」から「早稲田文學」、「文藝春秋」「新潮」「日本経済…

「ぽろぽろ」−田中小実昌−

去年、ロシア、キルギス、ウズベキスタンなどを旅行したときに撮った写真の展覧会を開いた友達が、18日(日)から24日(土)まで下北沢にあるadd Cafeで行われている、“Summer goes by”をテーマしたグループ展に参加している。いや、参加していると言っても…

「幸福へのパスポート」−山田稔−

山田稔の本なんて早々手に入らないだろうなぁ、なんて思いながら古本屋を回っているのだけれど、「コーマルタン界隈」に続いて「幸福へのパスポート」も発見。もちろんオリジナルではなく、後に再版された選書です。先日、よく行く古本屋さんに8冊くらい山…

「Through the Light Barrier」−John Cowan−

もう何年もブリティッシュ・ビート・バンドのレコードなんて聴いていないけれど、60年代のイギリス、スウィンギン・ロンドンを写した写真集は好きだったりする。Ronald Treagerとかね・・・・。実を言えば今さらと思いながらも、今でもときどき本屋で「Mods!…

「食いしん坊」−小島政二郎−

テレビや雑誌などで「池波正太郎が通った店」というフレーズはよく使われるけれど、「小島政二郎が絶賛した店」というのは聞かない。もちろん池波正太郎と小島政二郎では知名度に大きな違いがあるわけですが、それよりも、この本が出た1954年からもう50年以…

「コーマルタン界隈」−山田稔−

日曜日は、ちょっと用事があって横浜に行ってきた。桜木町〜関内〜石川町周辺には、適度に古本屋もあるし、レコードも東京で買うよりちょっと安かったり、掘り出し物があったりしたし(ディスクユニオンでBorder BoysやGroovy Little Numberの12インチを400…

「自由学校」−獅子文六−

どこで、何を読んでそう思ったのか分からないけれど、この「自由学校」は、戦後の鎌倉アカデミアを題材とした小説、となぜか思いこんでました。鎌倉アカデミアといえば、林達夫、高見順、吉田健一、大仏次郎、木下順二、平野謙、吉野秀雄・・・・といった人…

「同行百歳」−山口瞳−

「同行百歳」−山口瞳− 8月30日は、山口瞳の命日なので、寝かせておいたこの本を追悼の意味も込めて読んでみた。日本の習慣としては、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌・・・・と続くので、10年という区切りはあまり関係ない。でも、何をするわけでもなく、…

「清水町先生」−小沼丹−

清水町先生とは井伏鱒二のことで、小沼丹が井伏鱒二のことを書いた本というと、関係的には戸板康二が久保田万太郎について書くというのと似ている気がします。でも内容的には、生い立ちから学生の頃からの交友関係、文学・演劇などの分野における功績・・・…