2006-01-01から1年間の記事一覧

「昔の仲間」−久保田万太郎−

前回(この項続く?)なんて書いたのに気がつけば一週間経ってしまいました。最近、本を読むペースが遅くなっていますね。で、そのあとなにを書こうと思っていたか、簡単に書いておくと、 ・姿を見せなくなったサバは2週間ぐらい経った頃、家に帰ってくると…

「猫のいる日々」−大佛次郎−

前にも書いたことがあると思いますが、20代の中頃、調布でひとり暮らしをしていた時に、通いの猫、大佛次郎風に言えば“外様猫”を飼っていたことがありました。その頃、住んでいたアパートは、ベランダもなく、窓を開けるとそのまま外に出られるようなところ…

「新・東海道五十三次」−武田泰淳−

大阪から来た友達と久しぶりにあった。去年の9月から東京に来ていたのだから、“来た”というのはちょっと間違っているかもしれない。 何カ月ぶりに久しぶりにミクシィにログインして、その人の日記を見たら、BMXバンデッツのダグラスのライブを見に行ったと…

「随筆 あまカラ」−小島政二郎 編−

「あまカラ」に掲載された随筆をまとめた本で、編者をつとめた小島政二郎はもちろん、志賀直哉、永井龍男、獅子文六、福田恆存、徳川夢声・・・・といった作家の随筆が収録されている。あとがきには二冊目、三冊目と続けていきたい、といったことが書いてあって…

「南の男」−獅子文六−

どのよう意図でまとめられた本なのかよく分からないし、それぞれの初出も書いていないので、どのような経緯で書かれた文章なのかもまったく推測できない本。基本的には本人の体験談を語った随筆なのだけれど、どの作品も獅子文六のストーリーテラーの才が光…

「あんつる君の便箋」−安藤鶴夫−

“あんつる君の便箋”とは、安藤鶴夫が小泉信三の誕生日に贈り、後に「気に入ったので注文したらまた作ってもらえるだろうか」と問い合わせがあったほど、気に入られた便箋のことで、小泉家ではその便箋のことを“あんつる君の便箋”と呼んでいたらしい。このエ…

「大東京繁盛記 山手編」−島崎藤村・高浜虚子ほか−

東京に関する本を読もうと思っていた年末頃に探していた本を、今ごろになって見つける。関東大震災で大きく変わった東京を描くことを目的に昭和3年に編纂され、その後の多くの東京本に影響を与えた本らしい。「どんな風に」といわれてもその辺はよくわかり…

「OU SE SCHTROUMPFE LE SCHTROUMPF COSTAUD?」−Peyo−

気がつけば旅行から帰ってきて日にちが経ってしまったので、なんだかここにパリの話を書くのもなぁとか、考えてみればとりたてて書くこともないしなぁ、なんて思ったりもする。この本は、「パリのおみやげ」という本に載っていたモナリザ(多分)という古本…

「ザボンの花」−庄野潤三−

旅行から戻って、時差ぼけが戻らないまま、終電近くまで仕事したりして、ようやく週末。さすがにぐったりとしてしまって、昨日、今日は、朝、目が覚めたら12時近くなってました。そのせいで体はすっきりしたけれど。 「ザボンの花」はパリに持っていった本。…

「感想B」−吉田健一−

今週は家に帰ってくるのが遅かったのでなかなか雑記を書いている時間がとれず。新着本もお休み前にもう少し更新する予定だったのだけれどぜんぜん更新できませんでした。そんな状態なのですが、明日からパリ(フランスのほうね)に行くためカヌー犬ブックス…

「第3食いしん坊」−小島政二郎−

去年の夏、京都の下鴨神社の古本市で「食いしん坊」「第2食いしん坊」と一緒に3冊セットで買ったもの。途中まで読んで、カバーを掛けたまま本棚に置きっぱなしにしていたので、すっかり忘れてました。小島政二郎はおもしろいのだけれど、割といろいろなこ…

「角帯兵児帯・わが半生記」−木山捷平−

「角帯兵児帯」は、三月書房から出ている小型愛蔵本で読んだし、木山捷平に限らず私小説作家の場合、作品の中に過去の出来事が出てくるので、「半生記」といってもどこかで読んだことのなるような内容が多いので、再読に近い。そういうこともあって、先週、…

「べつの鍵」−獅子文六−

どうやら寝違えたらしくて、朝起きたら、首が痛くて回らない状態になってしまいました。そして、こういう日に限って出張で名古屋に行かなくてはいけなかったりするわけで、とりあえず、今読んでいる本をいったんやめて、この本を持って家を出る。 でも新幹線…

「善の研究」−山口瞳−

金曜の夜にちょっと外に出てみたら、微かに雪が降ってきていて、「やっぱり雪になるのかなぁ」、なんて思っていたら、土曜の朝起きて、カーテンを開けたら、雪が降り積もってました。時期が時期だけに寒いのは仕方がないとは思うけれど、前の週の土曜日は雨…

「雲の上からの手紙」−沼田元氣−

年が明けてからなぜかヴィジュアル本をよく買っている。これはエールフランス、KLMオランダ航空、スカンジナビア航空、スイス航空、ルフトハンザ・ドイツ航空・・・・など、エアラインのアメニティキット、100枚を越える封筒、スタンプ、切手を集めたもの。特に…

「東京震災記」−田山花袋−

ある意味タイムリーな本かも、なんて思ってみたりして・・・・。 関東大震災の様子を書いたものとしては、井伏鱒二の「荻窪風土記」と永井龍男の「東京の横町」ぐらいしか読んだことはなくて、それも全体の中の一部分に描かれているに過ぎない。大正時代の東京と…

「Lumi`ere」−東野翠れん−

写真家としてのキャリアをスタートさせた16歳からの6年間に撮りためた作品をまとめた写真集。東野翠れんのロシアの旅をホンマタカシが撮った「アムール 翠れん」(宮崎あおいの中国や蒼井優の米国・メキシコなど、最近そういう企画が多いような気が・・・・)と…

「感想A」−吉田健一−

「感想A」そして「感想B」は、「新聞一束」の一部に「乞食王子」と「甘酸っぱい味」を加えて再編集した本なので、中には読んだことのある文章が出てくるし、ひとつひとつの文章は短いのだけれど、ささっとは読めるものでもなく、ひとつひとつの言葉を追うよ…

「構成的ポスターの研究―バウハウスからスイス派の巨匠へ」−多摩美

なぜかデザイン関係の本が続いてますね。「Magazine Covers」はリブロの洋書バザールで、これは代官山のCollexの片隅でやっていたユトレヒトの人たちが出品しているフリーマーケットで購入。多分、ロバロバカフェでもなんか買いそうだし、年の初めはこの手の…

「Magazine Covers」−David Crowley−

グラフィックデザインの代表的な媒体としては、ポスターと広告があげられるのだろうけれど、個人的には雑誌(本)の表紙もわりと好きで、一時期そんな表紙を集めた本をよく買ってました。広告もそうだけれど、雑誌の表紙はある期間同じデザイナーがてがけて…

「植田正治写真集:吹き抜ける風」−植田正治−

今年は、1日に寝込んでしまったせいで、浅草にも行かず、実家にも帰らず、と、お正月の計画が崩れてしまった。かといって、特に行きたいところもなく、観たい映画もなく、バーゲンにも興味はなく、正月早々古本屋という気分にもなれず・・・・なんて考えなら、…

「ちんちん電車」−獅子文六−

前回、「今年中にもう一冊くらい読んで・・・・」なんて書いてみたものの、やはり、年末は本を読んでいる暇はなくて、気がついたら年が明けてました。ついでに年明け早々、風邪を引いてしまって元旦はほんとの寝正月というありさま。メルマガも2005年最終号をき…