「川釣り」−井伏鱒二−

私の釣り経験といえば小学校の頃に相模川に行ったときとうちの母方の田舎の河津にいったとき・・・・あとは何回か釣り堀に行ったっけ?そんなもの。
井伏鱒二の随筆は阿佐ヶ谷文士の中心人物としてずっと読みたいと思っていて探してはいるのだけれど、戦後すぐのものなどはなかなか手に入りにくいような気がする。改めて探してみると、そもそも随筆に限らず「黒い雨」と「山椒魚」以外の新潮文庫ってほとんど普通の本屋に置かれてない。「黒い雨」だけ読んで井伏鱒二を分かった気になるなよ。なんて私は「黒い雨」さえも読んでませんが・・・・。で、しょうがないのでその次に手に入りやすいと思われる「川釣り」を読んでみた次第。

題材が“釣り”ということもあってそれほど期待していなかったのが良かったのか、どの話も描写がどことなくユーモアでおもしろい。なんか老人が一人ぶつぶつと言いながら山の中に入って行き、釣果によって一喜一憂し、ときにはトラブルに巻き込まれてあたふたしている姿は目に浮かんでくる。中には「これは随筆なのか?創作ではないのか?」と思うくらいのものある。

6月の終わりに申請した古物商の許可がやっとおりました。ほんとは先週くらいに電話があったのですが、こちらの都合と担当者の都合が合わず、今日、会社に来る前に高井戸警察に寄って許可証をもらってきました。これまで一年ちょっと無許可でやってきてしまいましたが、これを機にまた利用してくださるみなさんに喜んでもらえるような古本屋になれるようにしなくては・・・・と思ってます。
こう言ってはなんだけれど、許可を取ったからといって一人前の古本屋さんということではないしね。最低限やらなくちゃいけないことの一つに過ぎないわけで、その最低限を一年間せずにやってきてしまって考えると返す言葉もありません。まぁいろいろな意味を含めてこれから、ということで今後もよろしくお願いします。