「角鹿の蟹」−稲垣達郎−

稲垣達郎は1901年福井県生まれの。大学時代には同人誌に参加したり演劇活動を行っていたが、後に母校の早稲田大学にて教職に就き森鴎外を軸に日本近代文学についての研究を主に行った人。「作家の肖像」「夏目漱石」「森鴎外歴史小説」などの著作、「森鴎外」「斉藤緑雨集」「近代文学評論大系」などの編著があります。
この本は、家族やその身辺のこと、坪内逍遥岩本素白會津八一尾崎一雄、外村繁、山口剛といった早稲田ゆかりの文学者や作家の思い出が綴られたエッセイ集で、その後、編集者や専門家の間で評判になり、筑摩書房から編成を変えて1980年に刊行された本。
私は作家に対してどこの大学出身か、ましては早稲田出身なんてことは気にしたことありませんでしたが、ここに出てくる尾崎一雄岩本素白、あついは小沼丹井伏鱒二横光利一なども含めて、ちょっと気になってきてます。どうでもいいけれど村上春樹も早稲田出身ですね。

このところ、土曜日はなんだか目が覚めると昼前で、つい嵐の番組なんかだらだらみて、気がつけば3時近くなっていて、お腹も減ってきたしちょっと出ますか、なんて感じで吉祥寺や西荻に出る、なんて感じで一日が過ぎてしまう。
今日も結局、西荻に出てそれいゆでシフォンケーキを食べて、古本屋や雑貨屋を回って帰ってきました。もちろんがちまいやでクッキーも買ってきましたよ。閉店まであと1カ月とちょっとなので西荻に行ったときは絶対に寄っておかなくてはね。店の中の棚や椅子も売りに出していたみたいで、端に「売約済み」のシールが張ってある。中には店で使っていたものではなくて、家で使っていたらしい家具もあって、ほんとに東京でのいらないものを捨てて田舎(たしか奄美大島)に帰るんだなぁと思う。
そういう店がどんどんなくなって、気がつけば西荻も大きなマンションばかりになってしまうんだろう。

家に帰ってテレビを見てたらアド街錦糸町特集とやってた。先週「残しておきたい東京の風景」なんて言って、昔の面影が残る街角を「やっぱりいいねぇ。こういう風景がなくなるのは寂しいねぇ」なんて散々言い合っていたのに、今週は今度錦糸町にできる六本木ヒルズみたいなビルに大歓声をあげている。テレビのこととはいえ「なんだかなぁ」と思う。