「KAWADE夢ムック 山口瞳」

去年、発売されたときは「絶対に買わないぞ」と思っていた本。特集がいいといって雑誌やムック本を簡単に買っていると、いつのまにかそういう本がたまってしまって置き場に困ってしまうのが目に見えてるから。そうは思いつつも本屋で久しぶりに見かけたので、また立ち読みしていたら、山口瞳木山捷平の対談が載っているではないですか。
よく考えてみれば山口瞳の小説って主張は強いけれど、自分のことや自分の周辺のことを描いた私小説がほとんどだし、後年、温泉や競馬場、あるいは絵に描きたい風景のあるところなど、いろいろなところに出かけては紀行文のようなものを書いているところなど、木山捷平と似てると言えなくもない。
これで永井龍男全集の冊子に掲載されていたという永井龍男についての文章が、単行本未収録のものとして収録されていたりしたら歓喜の嵐なんですけどね。「吉田秀雄さんや吉田健一さんが先生をしていた鎌倉アカデミアに入学して・・・・」なんて発言にいちいち反応しながら読んでます。

それにしてもこの「KAWADE夢ムック」って・・・・。名前もすごいけど、白州次郎色川武大武田百合子小林秀雄渋澤龍彦、梅図かずお、岡崎京子押井守、クィーン、ボブ・ディラン、ポール・マッカトニー・・・・というラインナップもすごい。一貫性がまったくない。このシリーズのこの安易さがイヤで「絶対に買わない」と思っていたのですよ。ちなみにもう一冊、ミオ犬が買ったやまだないとの特集号がうちにあったりします。