「井伏鱒二文集2 旅の出会い」−井伏鱒二−

もう10月も終わりに近くなってきましたが、多摩川の河川敷でバーベキューをした。13名、前はみんな同じ会社に勤めていたので、日程などもすぐに決められたのだけれど、バラバラになってしまうとなかなか難しい。加えて千葉の稲毛海岸に住んでいる人から神奈川の辻堂に住んでいる人まで、住んでいる場所が離れていたりするので、結局新丸子の多摩川沿いということになってしまう。まぁそれはそれでいいんだけれど。次回は違うところがいいかな。
天気のほうもものすごく寒いというわけではなかったけれど、晴れそうで晴れない曇り空。つい火の近くに寄ってしまったり、3時くらいになると「もう撤収しますか」という雰囲気になってしまう。でも10月の週末の天気を考えるといいほうといえるのでは、なんて言い合ったりして。

井伏鱒二文集」の2巻目は、旅での出来事を綴った文章を集めたもの。戦後間もない頃の話だったりすることもあるけれど、ものすごい山の奥地の小さな宿屋に飛び込みで泊まったり、歩いて山を越えるような旅があったりで、なんだかのんびりした感じがいい。書いていないだけかもしれないけれど、旅先で「作家の井伏鱒二さんですか」なんて言われて歓待を受けるなんてこともないしね。
解説に「僕が小学生のころには、『風呂に入ってくるぞ』と石けんとタオルを持って出掛け、一週間帰ってこなかったこともあった」という井伏鱒二の長男の言葉が引用されているのを読んで、檀一雄も「飯食ってくる」って大阪まで行ってそのまま何週間も帰ってこなかったりしたってどこかに書いてあったのを思い出したりした。同じ放浪癖でもぜんぜんタイプは違う感じだけれど、どちらにせよなんだかうらやましい。