「行きつけの店」−山口瞳−

「行きつけの店」というタイトルではあるけれど、料理のことはあまり書いていない。お店の主人や一緒に行った人とのとのやりとりが多い。だから文字どおり行きつけのお店を紹介するのではなく「私はこうやってお店の主人とつきあい、そこから学んできた」ということを伝えていると思う。だからこの本を読んで掲載されているお店に行くのではなく、そういうお店を自分の活動範囲で自分の足でさがせよ、ってことか。
そもそも最後に書いてあるとおりここに載っているお店の主人や内儀たちはほとんどなくなっているそうだし、お店自体もなくなっていたり改装されて山口瞳が通っていた頃とは(ある意味)まったく違う店になっているわけで。
そういう風に考えると私にとっての行きつけの店ってないなぁ。行きつけの古本屋とかレコード屋はあるかもしれないけど・・・・。