「私の食べ歩き」−獅子文六−

続けてこんな本を読んだから、というわけではないけれど、金曜日の夜は早めに会社を抜け出して家の近所の牛角で焼き肉を食べた。メニューの切り替えにあわせて半額になっていたいくつかのメニューを中心に注文したので、お腹いっぱい食べて二人で2800円。まぁ基本的に少食な夫婦ではあるんですけどね。

それにしても獅子文六にしろ吉田健一にしろほんとによく食べ、よく飲む。(石井好子の父親もかなりの大食だったらしい)だからこそ食べ物についての文章を書いてもおもしろいのだろうし、二人ともまず第一に“食べる”という欲求がストレートに出ているのがいい。“食べるからにはおいしいもの”というはその後でな感じがします。だから本にはおいしかったものが中心に書いているけれど、本には書かれないまずかったものもものすごくたくさん食べてるのだと思う。
それから、食べ物好き、飲み好きの人はたいてい歳をとると、当然なのかもしれませんが、肝臓や胃腸を壊したり、歯が悪くなったり、糖尿病になったりして、文中で「昔は〓だったのに比べて今では〓」と誰もがぼやくので、どこかで読んだような気がする病状にしばしばぶつかります。作家の晩年の病気一覧とか死因一覧とか作ってみるのもいいかも。なんて、趣味悪いですね&読んでいて暗い気分になりそう・・・・。