「木をみて森をみない」−青山南−

翻訳家の中でもし柴田元幸派と青山南派があるとしたら私は青山南派で、「訳:青山南」となっているだけでそのその作品や作者を知らなくても読みたくなってしまいます。といっても全部の本を読んでいるわけではないし、柴田元幸が訳した本も読んでますけどね。柴田元幸の場合はその作品がおもしろそうかどうか割と冷静に考えてから読むことが多いです。

私は英語が読めないせいもあって翻訳家の書いた文章で知らない作品や作家のことを知るということが多い。そしてそういった本を読むたびに「英語が読めたら・・・・」なんてちょっと思ったりもします。でも翻訳されている本でさえ読みたい本を全部読んでいるわけではないので、もし英語が分かったからといってペーパーバックを読む、なんてことがあるのかどうか・・・・。

この本でもときどき古本屋で見かけるあの本はこんな内容だったのか!、あの作家の本がそんなにおもしろいとは知らなかったなど発見があるけれど、実は単に青山南自身のジャズ喫茶に通っていた話といった話がおもしろいから、つい本を買ってしまうわけで。
この本に関して言えば一番の驚きは青山南が大学の時に小沼丹のゼミに所属していたということです。だからどうした、と言われればどうもしないんだけれど、自分の好きな人同士がどこかでつながっていたりすると、それだけでなぜかわくわくしてしまいます。