「花十日」−永井龍男−

私が週に一回は行く荻窪にある古本屋さんには永井龍男の本がたくさんあって、どれも1冊500円くらいで売っています。それでここ半年くらい、行くたびに一冊買い、その週にその本を読んで読み終わったらまた行く、ということが続いています。この本のその古本屋さんで買った本。私が買った後もなぜか追加されているけれど、そろそろその店で買う永井龍男の本もなくなってきてしまってさみしいです。

しかもその隣には吉田健一の本が7、8冊必ず並んでいます。「なんていい古本屋さんなんでしょう」と思いつつ、とりあえず「交友録」を手に取ってみると800円。「英国に就いて」もそれほど高くない。でも随筆じゃなくて一応ストーリーがあるものがいいかな、とその隣の「乞食王子」に手を伸ばすと、「ん、ん!?」 1万5千円!? 周りの本の値段に比べて目を疑う値段になっていて驚いてしまいます。ついでに文庫で持っているのだけれど、今のところ吉田健一の本で一番気に入っている本なので箱入り単行本で持っているのもいいなと軽い気持ちで「東京の昔」を手に取ってみると、「1万円」の文字が。おぉ!
ほかの作家もチェックしたところ、安いものは安いのですがその横に普通に1万の本が置いてあります。素人にはぜんぜん値段の付け方が分かりません。

こうなってくると、もしや?と手に持っていた永井龍男の本の値段をもう一度見てみますが、やっぱり500円です。でも、もしかしてレジに持っていったときに店員さんに「お会計10300円です」なんていわれるんじゃないかと、ついその後何度も値段をチェックしてしまうのです。
もうこの店に通い始めて半年以上経つというのにね。