「ことばの食卓」-武田百合子-

今でもそうなのだけれど私は子供の頃から鼻が悪かったので、どうしても口で息をしてしまい、よく親とかに「口をあけてる!」と注意されてしまいます。あなたもそのたびに鼻から管をいれられて、その管をとおして耳から空気が出るなんてことをされてごらんよ!思うのです。

そんなわけで寝ているときも口で息をしているせいか、朝起きると口の中がカサカサになっています。もうぜんぜん唾なんてでなんです。そんなときに6枚切りの食パンとバター、キャベツの千切りとゆで卵なんていう朝食がテーブルの上に置いてあったりすると、もう朝から憂鬱な気分。
そもそもそれほどよく食べる子供ではなかったけれど、口がパサパサして食パンなんて食べられません。牛乳で流そうとしてもそう流し込めるわけでもなく、いつまでももぐもぐしてしまい、親からは「全部食べないと学校に行かせないから」なんて言われる始末。うちのばあい「学校にいかない」=「一日中家事をやらされる」なのでさっさと学校に逃げたい一心で朝食を詰め込んでました。

そう考えると昼は昼で全部給食を食べられなくて昼休みまで食べさせられることがよくあったし、なんか食事に関していい思い出ってあまりないかも。そのせいで背も低かったしね。小学校の6年間、ずっと一番前でした。前にならえで手を前にあげたことないし、よく同級生の弟にまちがえられました。

なんてことをこの本を読みながら思い出しました。