「東京の小さな喫茶店」-常盤新平-

気がつけば前回書いてから一週間経ってしまってました。はやいねぇ。

常盤新平の本は高校生の頃よく読んでいました。多分、海外文学の本を選ぶ基準として初めて意識した翻訳家かもしれません。でも翻訳家として有名な割には作品としてはアーウィン・ショーと「大雪のニューヨークを歩くには」くらいしか思い浮かばないんですけどね。それよりも20年代アメリカや「ニューヨーカー」についてなどのエッセイのほうが記憶に残ってます。

「東京の小さな喫茶店」は、彼がむかし通った喫茶店の思い出をつづったもの。私は行ったことのない喫茶店ばかり、そして今ではなくなってしまったお店もたくさん出てくるだけれど有名なお店なのでしょうか。よく分かりません。でも基本的に彼がその店にかよっていた頃の喫茶店での(あるいは自身に起きた)出来事や喫茶店の店長の話(喫茶店をはじめたきっかけとか、どんなふうに、どんな気持ちで喫茶店を営んでいたとかなど)が中心となっているので、そのお店自体を知らなくても楽しめます。

私は彼のように自由業ではないので気が向いたらとか気分転換にちょっとコーヒーを飲みに行く、なんてことはできないけれど、朝、会社に行く前の30分だったり、お昼休みだったり、会社を出て家に帰るまでのあいだだったり、一日のうちで一回でいいからそういう自分の気持ちをリセットできるような時間があればいいと思います。今のところそれは家に帰ってご飯を食べた後、ゆっくりとコーヒーを淹れる時間になるのかな。自分でゆっくりお湯を落としていくときが好きなんで、ただコーヒーを飲むというよりその前に淹れるというのが私にとっては大切だったりします。