「僕は散歩と雑学が好き」-植草甚一-

「コラージュ日記」が発売されているせいもあって、最近また植草甚一の本を読み返してみようかなぁ、なんて思っているのだけれど、10代や20代の頃に聴いて置くべき音楽や読んでおくべき本、観ておくべき映画・・・・というものがやっぱりあって、植草甚一の本は私にとってそれにあたっていて、30代半ばにして植草甚一の本を読みふけるというのは健全でない気がしてしまう。あの知識の多さや生き方はどう考えても若い頃に憧れるものだと思う。それを30過ぎまで引きずってしまうのはどうなんだろう。かといってノスタルジックな気分で読むのも納得がいかないし・・・・なんてことを考えて迷ってるところ。

さて、スクラップブックのシリーズが実家に起きっぱなしになってしまっているので(しかもどこにしまわれているのかまったく分からない状態)、きちんと一冊読むのは本当に久しぶり。何年か前に「ワンダーランド」を読み直して途中でやめたのは、そういうなんでも気になるものを買って、調べて、それをそのまま書くというスタイルに読んでいて疲れてしまったからだけれど、今回読んでみてもその印象はあまり変わらなくて、そんな中で植草甚一の日常がちらりとうかがえる文章が出てきたりするとすこしほっとします。

初めて読んだ当時は実際はなんのことだかよく分からなかったりした作家の名前が分かるようになっていたり、リバイバル上映された映画が出てきたりするは、素直にうれしいような、「歳とったからなぁ」という気分だったりなんとも言えない気持ちになってしまうね。