「僕が書いたあの島」-片岡義男-

PickwickWebのどこかに、いつか書いたような気がするけれど、私にとって片岡義男のイメージは角川映画の原作であり本屋でずらりと赤い背表紙で、中学、高校の頃は、本棚に赤い表紙が並んでいるような人とは絶対に友達になりたくないと思ったものです。
それがちょっと変わったのはちくま文庫から出ていた「エルヴィスから始まった」という初期のエッセイを読んでからで、それから気が向くと彼のエッセイを読むようになりました。さすがに「コミックを文章化した」という小説読みませんけどね。

片岡義男のエッセイのおもしろさというのは簡単にいうと、[1]豊富な知識を背景に持っている、[2]そこから自分なりの結論をきちんと出している、[3]その結論にたどり着くまでの道筋が論理的である、[4]題材によってさまざまな表現形式を用いている、ということでしょうか。適当ですが。
サーフィンとハワイについて書かれたこの本について、そのどちらにも興味のない私としてはそれほど読んでみたいとは思っていなかったのですが、やはり読んでみるとおもしろくて、一気に読み終えてしまったという感じです。