「目まいのする散歩」-武田泰淳-

今日から夏休み。土日合わせて5日という短いものですが、まぁのんびりさせていただきます。ちなみに今日は荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺を散策し、夜は新宿で映画を見ました。いろいろ買い込んで重くなったリュックをしょって歩き回りました。

武田泰淳といえば思いつくのは司馬遷について何か書いているということと、武田百合子の旦那ということだけで、しかも私は中国史については偏見を持ってるし(理系の男子は中国史、あるいは三国志が好き)、武田百合子に関しては昔「犬が星見た」と「富士日記」を読んで、その奔放さ(というのかな女の子っぽさ?)にちょっとついていけなくなって途中でやめてしまった過去があるので、全然読む気が起きなかったのだけれど、この本のタイトルと山口瞳が「この本は彼の遺言だ」みたいなことを書いていて気になってしまったという次第。

実際はこの「目まい」というのは、「目まいがするような」といった比喩ではなく、病気のために歩いていると目まいがするということなんですが・・・・。

今日も途中で休むたびに読んでいたのですが、現在の散歩と過去の記憶とが結びつきつつ全体を一つのテーマで結びつけていく本当に遺言のような穏やかさを持った散歩に関する散文。
これからも何か気が度に読み返してしまうような本です。