「新東京百景」-山口瞳-

今、山口瞳が流行っているらしい。本屋にも山口瞳特集のムック本が平積みにされていたし、そういえば6月に北尾堂ブックカフェに行った時も北尾さんがそんな話をしていたような気がする。まぁアンクルトリス柳原良平ときて次に山口瞳がくるのはわかります。私がそうなので‥‥。そういう意味で私は流行りに左右されやすいのだ。

でも実は新潮社からかなり出ている彼の著作のほとんどが絶版になっていて手に入れようとするとなかなか手に入らない。別に「礼儀作法入門」だとか「 温泉へ行こう」とか初めに読みたくないしね。そんなわけで最近古本屋で山口瞳の文庫本を見つけては買っている。どれも100円とか200円といったところなのでいつのまにか読んでいない本が5、6册くらいたまっているという状態。

さて今日も夕方から外出。阿佐ヶ谷へ。JRを降りると何故か人だかりで不思議に思っているとどうやら今日から七夕祭りということがわかる。とりあえずちょっと時間もあるので喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読むことにする。2日外出が続いたせいで一気にこの本も読み終わってしまった。

1980年代中ごろの東京を19景。その頃は土地もどんどん値が上がり、そこいらじゅうにビルを建てて都市整備なんて言ってたりしていた真っ盛りだったと思うが、今でも同じ感覚なのが恐ろしい。「汚い路地を整理して、新しい快適な街を作る」と当時再開発を行っていた人の言葉が出てくるのだけれど、森ビルの社長が同じ言葉を六本木ヒルズができた時に言っているのを聞いた。