「酔いどれ紀行」-山口瞳-

続いて山口瞳の紀行もの。新潮社なのに表紙が柳原良平じゃない、しかも変な絵は誰?、なんて思っていたら山口瞳本人の絵でした。すっすみません。

長崎から始り浦安、タヒチ‥‥そして最後に横浜で終わるこれらの旅行は、基本的には紀行文を書くためと絵を書くためという目的があるのだが、ほんとに絵を書いてるの?と思うくらい贅沢な旅で、日程もめちゃくちゃ余裕があります。でもなんだかいつも体調が悪かったり、機嫌が悪かったりして文句ばかり言っているような気もします。
そして現地のいろいろなところで美味しいものを食べて酒ばかり飲んでいる様子は、どことなく田中小実昌の旅の文を思い出したりします。いや結構、似てるような気がするのは私だけでしょうか。読んでいる途中で何度も「なんかどこかで読んだことのあるようなエピソードだけれど、ちょっとちがうか」という感じを受けました。ただしこちらの旅は田中小実昌と違って男ばかりの団体旅行ですが‥