「夫婦百景」−獅子文六−

canoe-ken2006-11-25

いろいろな夫婦の形をレポートするという内容で、前半は獅子文六自身の夫婦論に始まり知り合いの夫婦について、後半では雑誌の読者から寄せられたちょっと変わった夫婦について、それぞれ「婦人倶楽部」「主婦の友」に連載されたもの。
“ちょっと変わった”と言っても現代からみれば、そう変わった感じもしなくて、それよりも見合い結婚がより人間らしい理性的な結婚の仕方であるといった主張がところどころにでてくるのがおもしろい。よほど一番最初の時のフランス人との恋愛結婚で懲りたのだろうか(その後の2回の結婚は見合いなはず)。横浜で生まれ育って若い頃にフランスに行ったような人でも、そういう考え方をするものなのだなぁ、と何度も思うところ多し。もちろん新たしい考え方がいいとか、古い考え方のほうはいいとか、そういうことではなくてね。中には離婚にいたっちゃうケースもあるけれど、それを含めても全体的にハッピーエンドで終わるケースが多いところがいいです。

ところで、30も半ばを過ぎたので、周りで結婚する人ももういないだろうと思っているのだけれど、今年も、10、11月と2次会やら結婚パーティに参加してます。そういえば、直前になって都合が悪くなってしまい出席できなかったのですが、9月にも親戚の結婚式がありました。先日、パーティを開いた友達は、大学の頃からのつきあいなので、もう15年以上か。でも「●●もついにねぇ」とか「なんだか気がつけばみんな結婚しちゃったなぁ」とか思ったりもするけれど、それほど大きな感慨はなかったりします。まぁそんなものですよ。「昔は2人でむちゃしてさ」なんて感じでもないし。もちろんわたしの知らないところでいろいろあったのだろうけどね。なんて書いていると「あんなこともあったなぁ」なんて思い出したり、思い出さなかったり・・・・。う〜ん、なんか書いちゃまずそうなことばかり思い出したりしてあとが続かん。
そういえばこの本のあとがきにも、「人から材料をもらって書くのは、ラクな仕事だと考えていたら、事実はそれに反した。〜要するに、夫婦百計なんていうものは、見物するのも、容易ではないことがわかった」と書いてある。