冬のロバロバ、「マスキングテ−プを使った作品展」へ

canoe-ken2007-01-13

「礼儀作法入門」を読んだついでに読み始めてしまったのだけれど、ちょっと失敗でした。少なくとも「江分利満氏の優雅なサヨナラ」を読んだ後に読めばよかった。タイトルのとおり山口瞳の闘病生活〜死にいたるまでを息子の山口正介がつづった本なのですが、やはり“外伝”は“外伝”であって、まずは本人の視点からのものを読むべきだったかな、と。
確かに内容的には興味深いしおもしろい。でもそれはまず本人の視点からの描写があり、それに対する枝としてのおもしろさでもあるように思う。多分、山口正介自身も、それを意識してこの本を書いているような気がします。だからかわかりませんが、なんとなく父親に対する遠慮みたいなものが、全体的に漂っていてどうもすっきりしない
。同じように父親の死を描いた幸田文の「父・こんなこと」には、露伴に対する愛憎や著者の葛藤が遠慮なく、しかも感情的な視点と客観的な視点とをうまく交えながら描かれてたのを考えると、どうも物足りなさが残ってしまいます。

ロバロバカフェの年始めは、「マスキングテ−プを使った作品展」。ということで、久しぶりに下北から小田急に乗って経堂へ。ロバロバカフェに行くのは去年のゴールデンウィークの「“本”というこだわり、“紙”でできることvol.3」以来なので、半年以上ぶり。前回行ったときは、「この前来たときは寒くて大変だったのにすっかり暖かくなって‥‥」なんて話をしていたのに、今度はすっかり逆に季節になってしまってます。行ってみると近いな〜と思うんですけどね〜。
マスキングテ−プについて言えば、古本市の時も、小冊子のときもその話をしたりしていたので、ついにここまで、という感じです。実際に倉敷にあるカモ井加工紙株式会社まで工場見学に行って来たみたいで、その見学記が書かれた小冊子が置いてあったりしていました。展示の方は、コラージュ風なものから、マスキングテープで描かれた絵、ちょっとした遊び感覚のもの、そして帽子という立体物まで、アイデアに溢れたさまざまな作品があり、楽しい。というか、ロバロバのカウンターで、置いてある本や小冊子を眺めたり、店長さんと話したりしながら、カウンターでコーヒー飲んでると落ち着くのはなんでかね〜。



ロバロバカフェ(東京都世田谷区経堂2-31-20)