「三の酉」−久保田万太郎−

canoe-ken2006-09-14

本というのは、文字を読むだけではないのだなぁと。行間のみならず、少しすれかかった函や背だけが焼けて薄くなった布張りの本体、黄色の紙、押したように少しへこんだ活字・・・・など、そういったものすべてがこの小説の醸し出す雰囲気や世界観を作り出していて、それはおそらく文芸文庫などで読んでも味わえないものだろうという気がします。かといって、初版とかオリジナルにこだわっているわけでもなくて、読めればいい、聴ければいい、というのが基本ではあるのですが、やはりその小説や音楽が初めて世の中に出たときの“かたち”で、接したいという気持ちもあったりして、その辺のバランスが微妙で、かつ難しい問題なのは、本好き音楽好きだけでなく、誰もが抱える課題だろうと思う。わからん。まぁ逆に、そういった雰囲気ではなく、言葉だけで人を感動させるのがほんとうの小説である、音だけで人を感動させるのがほんとうの音楽である、という言い方もできると思うけれどね。

今週は、月曜日、火曜日と夏休みをとったのですが、どこに行くわけでなく、だらだらと過ごしてしまいました。何かしたといえば、わたしが今年の夏行ったイベントで、唯一フェスと呼ばれるイベント、大人計画フェスティバルぐらい。それも、前々日くらいまで行くかどうか迷っていたせいで、せっかく行ったのにもかかわらず、まったく無計画。とりあえず午後から行って、ドッジボール大会とお化け屋敷見て、松尾スズキのママさんコーラス聴いて、展示をさらっと見つつ、純喫茶マンハッタンでコーヒーでも飲んで、エンディングセレモニー見て帰れればいいかな、と簡単に思っていたのですが、そう甘くなかったです。
ドッジボール大会は人だかりでぜんぜん見れず、お化け屋敷は校舎の中のみならず、運動場まで列ができていて、松尾スズキのママさんコーラスは、2時間前から並び始めているという状況。純喫茶マンハッタンなんて、3時の時点でコーヒー売れ切れ・・・・という状態。エンディングセレモニーで校庭に集まった人たちを見て、改めて大人計画って、松尾スズキって、クドカンって、・・・・すごいんだなぁと実感。今どきこんなに人を集められる劇団があるのだろうか?
といいつつ、出店も割と充実していたし、ちょこちょこホットドッグなどを食べながら、校舎の中を回ったり、サケロック星野源の弾き語りを聴いたり(普通過ぎ!)、文化祭気分を味わいました。