「ムジカ・ロコムンド」−ムジカ・ロコムンド−

canoe-ken2006-06-02

今さらという気もしないでもないし、「2」や「改訂版」が出ていることを考えると、実際今さらなんだろうとも思ったり、この本が出てから、かなりCDの再発盤が出ているので、ひととおり聴くだけなら、ディスクガイドなんて必要のないかな、とも思ったりする。でも、なんだかんだ言っても、こんなレコードあったのか、なんていう発見もあるし、これは手に入らないんだろうな、なんてあきらめも含めて、ディスクガイドを眺めているのは楽しい。反面、ディスクガイドによって奪われた楽しみや発見も大きいような気もしてしまうけど。まぁ必要悪とも言えますね。
ブラジルものは、何年かごとにブームがくるのだけれど、どうものめり込めないのはなぜなんだろう。ちょっときれい目なカフェやお店に入ると、必ずと言っていいほどボサノバの曲がBGMになっていたりするのも、なんだかどうにかならないものか、と思う。そういう意味では、好き嫌いは別にして、小西康陽が選曲をしていた頃のアフタヌーンティのBGMは気合いが入ってましたね。まぁそういう時代だったとも言えるか。そもそも、これだけいろいろな音楽が、クローズアップされては消えていく中で、選曲という行為がすでに煮詰まっているとも言えなくもないか。いや適当。

発売から8カ月にして山下達郎の「ソノリテ」を買った。コーラスがあまり入っていないのと、バンド編成の曲が少ないので、全体的にパーソナルなヴォーカル(あるいはメロディ)を中心に添えたサウンドになっているためか、ラップをフィーチャーしたものから、スカっぽいもの、カンツォーネ・・・・など、本人が言っているように、いろいろなアプローチを試した五目味のアルバムではあるけれど、それほどバラバラな感じはしない。むしろ前作の「コージー」のほうが、いろいろなタイプの曲が入っていたような気がします。
もちろん、とうにゴールを過ぎているのも、あとは好きなことやっていくのをファンとしては見守るしかない、ということも分かってはいるのだけれど、このアルバムを聴いていると、つい「前はこんなもんじゃなかった」と思ってしまう。そんなわけで、今年は達郎の過去のアルバムを、CDで買い直してみることにする(アナログでは、ほぼ全アルバムあるんですけどね)。