「草のいのちを 高見順短編名作集」−高見順−

canoe-ken2006-04-18

ここのところ新しい出会いもなくちょっと倦怠期。
世の中には、もっとおもしろい本や音楽があるのだろうなぁ。いや、この高見順の本がつまらない、というわけではないけれど、初めて小沼丹の本を読んで、いきおい文芸文庫をそろえてみたり、山口瞳の文庫本を、すぐには読み切れないほど買ってみたり、古本屋さんに並んでいる永井龍男の本を端から一冊ずつ読んでいったり・・・・そういった勢いのある出会いが欲しい。それは単にわたしの知識や運の問題に過ぎなくて、こういうものは、一つなにかを知ることによって返ってくるものがあるもので、何かのきっかけで、いくつものものが返ってくるようなものに出会ったりすると、ものすごくうれしい。なにかを知るというのは、後攻で点を入れれば入れるほど、先攻で点を入れられてしまい、回が進むにしたがって、どんどん点差が開いていってしまう野球の負け試合みたいなものなのだ。なんてことを思ったりもするけれど、こちらが点を入れなくては、いつまで経っても0対0のままなわけで・・・・。う〜ん、あんまりいい例えではないですね。そんなことを考えつつ、毎日のように昼休みに近くの本屋に行ってみたりしているのだが、そんなに毎日品ぞろえが変わるはずもなく、わたしが言うのもなんですけど、最近はどの本屋さんに行っても雑貨や料理、デザインの本がばかりなような気がする。普通の小説なんて店のほんの片隅に申し訳程度に置かれているだけだ。もう本は読むものではなくて、必要なときに調べたり、気が向いたときに眺めたり、雑貨のように自分の部屋の片隅を飾るものだったり、するものなのかもしれない。適当。でもその気持ちも分かるけどさ。