「耳学問・尋三の春」−木山捷平−

canoe-ken2005-06-27

旺文社文庫から出ている木山捷平の本が手に入るなんて思ってもいなかったのでうれしい。中身はもちろんのことだけれど、講談社文芸文庫と違って表紙もいい感じだし・・・・。
前回、「戦後に書かれた戦時中の体験談はあまり信じられない」なんてことを書いたけれど、木山捷平の戦時中の作品を読んでいると、それが事実であろうと主観の入ったものだろうと、どうでもいい気持ちになる。そういうことを考えさせられる前に小説としておもしろいのだ。前言を翻すようだが、ノンフィクションではないのだから、戦後の価値観による主観が思いっきり入ろうが、小説としておもしろければ、あるいは書き手の気持ちがきちんと描かれていればいいのでは・・・・なんて思う。読者なんていいかげんなものだ。

この間、渋谷のエッジエンドに遊びに行ったときに、フライヤーをもらったPunch Me Outというイベント行った。場所は下北のERAというライブハウス。下北のライブハウスなんてもう何年も行っていないのだが、いろいろできているんだなぁ、と思いつつ、ライブが始まる前に、久しぶりにディスクユニオンに行ってみたら、“ERA系バンド”なんてポップができていてびっくりというより「???」。イベントのほうは、RON RON CLOUCOMEBACK MY DAUGHTERS、SCRUFFY、MARAUDER、ericaが出演。一番手のericaは、友達のタクミくんがヴォーカルをつとめるバンド。いろいろな要素をちりばめつつも90年代以降のストレートなUKロックという感じのサウンドで、タクミくんはDJのときの数倍ハイテンションだった。再入場可だったので真ん中のバンドは見ずに夜の下北を散歩して、目当てのCOMEBACK MY DAUGHTERS!いやいやよかった〜。なんだか、ばらばらのルックスのメンバー5人だったけれど、それぞれいい味出してるし、声もいいし、演奏もいい。基本的にCDでもなんのギミックもあるわけでもないし、聴き手を“ここではないどこかに”強引に引っ張っていくような(ポップスの)魔法があるわけでもない直球のサウンドだっただけに、それがライブで再現されると、ただ盛り上がるしかないという感じです。
なによりも最近の若者バンドにありがちな青臭かったり、恥ずかしかったりする歌詞じゃないところがいい。例えカタカナ英語だろうと歌詞を英語するというのは大事だな、とこの頃思う。やはり、よほどうまい人じゃない限り歌詞を日本語にすると、言葉にメロディが引っ張られてしまう気がします。HUSKING BEEも歌詞を日本語にしてから「なんだかなぁ」という感じになってしまった。同時に昔は、なんで作曲者だけにスポットが当たって、アレンジャーにはスポットが当たらないのだろう、と思っていたのだけれど、今になるとメロディの作る難しさが分かる(ような気がする)。イントロや間奏はいいフレーズやサウンドなのに、歌が始まると「???」となってしまうバンドがいかに多いことか。それを逆手にとって、GS・歌謡ロック的な感じにするのもありかもしれないけれど、それを意識的にやるのか、やってみたらそうなっちゃったのかでは大きく違うわけで。どちらにしろ“逃げ”とも言えるわけだが。

さて、話をCOMEBACK MY DAUGHTERSに戻すと、9月にシェルターで自分たちの企画を行うらしいので、それにも行ってみたい。でもハードコアキッズばかりいそうで怖い。もうダイブとかする歳でもないし・・・・。最後のRON RON CLOUは3曲くらい聴いて帰宅した。