「饗宴」−吉田健一−

canoe-ken2005-03-18

あとがきには

「昔書いた『饗宴』という随筆が中心になっているこの本の内容は、出版元の編集部の御好意によって集められたものである」

と書いてあるけれど、「あまカラ」に掲載された食に関する随筆をまとめたものだろうということ以外、実際にどのようなにまとめられたのかよく分かりません。初出も書いてない。ちなみに「饗宴」は昭和33年に発表された「舌鼓ところどころ」に収録されています。というわけで、前にどこかで読んだ文章が出てきたり、あるいは全体を読むと初めての文章なのだが、一部分だけ前に読んだ記憶のある文章が出てきたりします。そんなことは普段あまり気にしないのに、気になってしまったのは、

「最近、『教えて!goo』質問が減ってきているような気がする。それはWebの場合、前に書いた文章がいつまでも残るので、アーカイブがだんだん溜まってくると、質問する方も解答する方も、書き込む前に前のログを参照すればこと足りてしまうからだ。同じようにブログの日記も1年2年と経つうちに毎回書くことが同じになってしまい、廃れてしまうだろう」

という日記をちょっと前に読んだから。
一週間のうちに5日は会社に行って、しかもだんだん歳を取ってくると、ほんと毎日が、そして季節ごとが繰り返しになってしまい、日記なんて書くことなくなってしまう。それを防ぐために「読んだ本、買った本」についてというとっかかりでこの日記を書いているのだけれど、同じ作者の本を読み続けていれば、あんまり変わらなくなってしまいますね。そこで話を吉田健一に戻すと、逆に、同じとことを書いても違う文脈の中でだったり、違う結論に結びついたり、書き方を変えたりすることで、同じ文章でもそれをあまり感じさせないようにはできるわけだ。少なくとも吉田健一山口瞳の文章にはそれがある、と思う。

ついでに同じといえば、3月21日。今年は「Niagara Moon 30th Anniversary」らしい。1995年に「Niagara Moon」ほかナイアガラレーベルの作品が再発されてから、毎年、Anniversaryを繰り返しているような気がします。去年は「EACH TIME 20th Anniversary Edition」だったので、これから10年間また続くんだろうか。今回も新曲(?)、未発表曲、リズムトラックとボーナストラック満載。とりあえず買わねば。私と同じくらいの歳のナイアガラファンは、中学くらいの時にソニーから過去のアルバムが再発されたり、ボックスセットが出たりしていて、でも中学生なのでそんなに買えるわけでもなく、大学くらいになって買えるようになったらものすごく高くなってしまってた。という経験を持っているので、どうしても買っておかなくちゃという気分になってしまう。最近は、アナログにこだわらなければ、時間が経っても普通にCD買えますけどね。
ところで大滝詠一は、なぜか今週のテレビブロス清水ミチコと対談してます。しかも現在の姿の写真が!こちらも必見!