「リリパット ヴァルター・トリーアの世界」−ヴァルター・トリーア

ケストナーの「エミールと探偵たち」などの挿絵でおなじみのヴァルター・トリーア(ついくせでワルター・トリアーと言ってしまう)が、1937年から12年間約100冊、描き続けたイギリスの雑誌「Lilliput Magazine」の表紙を中心に、イラストや古い絵本を紹介した本。厚さはサイズ的には割と小さな本なのは、「Lilliput Magazine」自体もポケット・マガジンということなのでこのくらいのサイズだったのだろうか。個人的には「Lilliput Magazine」以外のイラストももっと掲載して、彼の仕事の全体がわかるような本が欲しいなぁと思う。ちゃんと洋書などを調べれば出ているのかもしれないけど。

20代の中頃、風呂なしの部屋でひとり暮らしをしていた頃、名前は忘れてしまったけれど、今で言うブックオフみたいな、でもそれほど大きくない古本屋が銭湯の近くにあって、よくお風呂に入った後とか寄っていたのですが、そこに岩波少年文庫が100円から300円くらいで並べてあって、懐かしさ半分にケストナーの本、ナルニア国ものがたりドリトル先生のシリーズとか、E.L.カニグズバーグリンドグレーンサン=テグジュペリジュール・ヴェルヌ・・・・といった本をよく買ってました。なぜか外国の作家のものばかりなのは当時の私の趣味ですね。
ついでにいうと、トリーア(トリアー)についていろいろ調べてフリーペーパーに書いたりしたのも多分その頃のことで、何回かに分けて好きな挿絵家についてや日本の大正期の挿絵家について書いた。具体的にはなにを書いたかはすっかり忘れてしまったし、資料もまったく残ってないけれど、武井武雄のことなんかについて書いたんじゃないかな。なくなっていなければ押入の箱の中に今でも入っているはずです。でももう読み返すこともないでしょう。いろいろな意味で今だったら絶対書けないような文章だったりするような気もするし・・・・。いや若気の至りですね。