「井伏鱒二文集1 思い出の人々」−井伏鱒二−

今日読む本がないというときか、好きな作家の新刊以外は、ふだんほとん新刊を買わない私ですが(画集とかは別にして)、珍しく12月までの間、井伏鱒二のこのシリーズをきちんと買ってみようと思っている。1カ月に一度の楽しみ。第2巻の「旅の出会い」ももうそろそろ出るはず。
旅の話というと木山捷平の本を思い出してしまうけれど、木山捷平が書けなくて悩んでいるときに「旅にたくさん行きなさい。そしたら書けるよ」みたいな助言をしたのは井伏鱒二だったか?違うひとだったか?忘れました。「エッセイコレクション」とかではなくて「文集」というところがいい。なんとなくだけど。

井伏鱒二は95歳まで生きていただけあって、戦前、戦中、戦後初期の同時代の作家たちをみんな見送ってから亡くなったという感じなので、この「思い出の人々」もそういう追悼文が必然的に多い。知っている作家のエピソードは興味深く読めるのは当然であるとして、知らない作家についての文章もおもしろくて、登場してくる作家の本を読みたくなってしまいます。

もちろん大きな理由も予定もないけれど、この4冊の本をとりあえず買っておいて読まないでおいて、今度旅行に行くときに持って行ったらいいのではないか、なんてことを考えたりもする。
飛行機や電車の中、ホテルのベッド、カフェでコーヒーを飲みながら、あるいはホテルのプールサイドで・・・・この本をのんびり読んでみたい。