「紙のプールで泳ぐ」−片岡義男−

1983年から1985年にかけて「ポパイ」に連載された「片岡義男アメリノロジー」から抜粋した本。主に40年代から60年代のアメリカについて書かれた本や写真集から片岡義男が想起される当時のアメリカ像というものについて書いてあります。
でもどこか全体的に80年代的な匂いが漂うのは単に明らかに70年代に書かれたエッセイとは異なる片岡義男の文体からくるものなのか、実際には80年代から見た40年代から60年代のアメリカを見ているという理由からなのかわかりません。

個人的には村上春樹の「THE SCRAP−懐かしの1980年代」をちょっと思い出してしまいました。といっても高校生の時に読んだきりなので内容ははっきりと覚えているわけではありませんが、「THE SCRAP」のほうのイメージとしては、この本とは逆に60年代的な視点で書いた80年代前半のメモ、といった感じかな。なんてかなり適当なこと言ってますけど・・・・。