「ねむれ巴里」-金子光晴-

「ねむれ巴里」は「どくろ杯」「マレー蘭印紀行」と続く作品なので本当はそれらを読んでからにしようと思っていたのだけれど、このあいだ横浜に行ったときに古本屋で見つけたのでとりあえず。
最近割と軽めの本ばかり読んでいたので、金子光晴の巴里での生活の生々しさが妙にズシンときました。同級生だと思われる日本人がフランスに来たとあれば電車を乗り継いで行き、同姓同名の別人と分かってがっかりとして帰り、仲間たちと日本ぽい絵を描いたり、傘を作ったりしては道ばたで売ろうとし、金持ちを見るや何とかだましてお金をせびろうとする。この生々しさはやはりアジアを舞台とした前2作の方が似合っているような気がします。期待が膨らむなぁ・・・・。

暑かった9月も過ぎて気がつけばもう10月、今年もあと3カ月。うちの会社は禁煙なのでたばこは外(屋上?テラス?)で吸っているのだけれど、ベンチに座って缶コーヒー飲んで、青い空とか隣のビルの解体現場を見ながらたばこを吸っているのはとてもいい気持ちで、席に戻りたくない気持ちになってしまいます。夏は暑かったり冬は寒かったり喫煙者が冷遇されている職場ですが、この季節はいいですね。でもそんな時期は短くすぐに寒くなってしまうんでしょうけど。